ニュース一覧

2017.04.21  

差別化素材の製品対応を強化

三井物産アイ・ファッション(MIF)は16年度にブランド事業のBMC、旧三井物産テクノプロダクツ(MBT)と統合した。シナジー発揮の具体策を検討し、差別化素材の製品対応を強化する。MIFの白崎道雄社長は17年度を「シナジー発揮を本格化する初年度」と位置付ける。

独自の高機能テキスタイル「パーテックス」など旧MBTが得意とする素材開発機能を独自性として活用したいとの考えで、パーテックスを採用したスポーツ衣料の製品対応、アクリル原料の取り扱い実績を元にインナー分野のほか、国内外のユニフォーム分野に向けた素材開発、縫製品供給に注力する。旧MBTが持つ素材開発やマーケティングノウハウと、これまで製品OEM/ODMで蓄積した企画提案力、国内外の生産背景を組み合わせ、製品までの一貫対応力として訴求していく。

2017年4月21日(金) 繊維ニュース1面

2017.04.20  

往来

「三井物産本体の繊維部署の頃を考えると、逆に違和感がない」と語るのは、三井物産アイ・ファッションの白崎道雄社長。昨年、繊維関連グループ会社のBMC、三井物産テクノプロダクツと統合し、新年度を迎えた印象を話す。細分化した機能が統合されて事業領域の幅が広くなった同社は自身の経歴と重なり、繊維事業をまとめた中核事業会社のトップとして「市場での存在感を発揮したい」との意欲にもつながる。人事交流も本格的に始まる今期以降、「社員にとっての活躍の場が広がることの実感が会社に広がる」ことを期待する。

2017年4月20日(木) 繊維ニュース2面

2017.04.19  

総合商社のネットワーク活用

ロシアでのバイイングに着手

三井物産アイ・ファッション(MIF)がブランドのインポートビジネスを強めている。三井物産グループはイタリアなど欧州からのブランド輸入で強みを発揮してきたが、欧州だけでなく米国、カナダからの輸入も拡充している。総合商社ならではのグローバルなネットワークを活用し、ロシアでの買い付け業務にも着手しており、対象エリアの拡大を加速させている。

MIFでブランドビジネスを担っているのが、16年4月に発足させたブランドマーケティング事業部。ビー・エム・シーの機能と既存のインポートを担当する人員を合体させた組織で、欧州ブランドのインポートやセレクトショップ向けの買い付け、ライセンスなど「ブランドビジネスをトータルで担う」(堀川譲二執行役員営業統括第一本部ブランドマーケティング事業部長)形となっている。先行させた伊バッグ「バルドーニ」、仏バッグ「フォスティン」の輸入販売に加えて、17~18年秋冬から、仏レディスウェア「フェット・アンペリアル」、伊レディスウェア「サン・アンドレス」の独占輸入販売を開始した。

一方、セレクトショップ向けのバイイング業務では、ロシアのファッションブランドに着目。三井物産のモスクワの拠点のコネクションを生かし、ウェアおよび雑貨で6ブランドをピックアップした。世界中に張り巡らせた総合商社のネットワークを活用し、ロシアにとどまらず幅広いエリアからのバイイングを推進する。

今後、強化するエリアは米国。「セレクトショップ向けで米国ブランドは外せない」と判断しているためで、駐在員と連携を強めながらブランドの発掘に力を注ぐ。

17~18年秋冬から独占輸入販売をスタートさせた「フェット・アンペリアル」
2017年4月19日(水) 繊研新聞7面

2017.04.11  

3分野でシナジー創出

統合効果発揮を本格化

三井物産アイ・ファッションの白崎道雄社長は2017年度(2018年3月期)を「シナジー発揮を本格化する初年度」と位置付ける。昨年10月に統合した旧三井物産テクノプロダクツ(MBT)が得意とする事業分野のノウハウを生かした製品までの一貫対応の強化を今期の取り組み課題とする。ブランドインポート事業やその他、顧客ニーズに応えるサービス機能の拡充も今期から始まる3カ年計で強化する。

同社は16年度にブランド事業のMBCと旧MBTを統合し、10月から三井物産アイ・ファッションとしてスタート。管理部門の統合を図るとともに、今期から本格的に着手するシナジー発揮の具体策を検討してきた。3カ年計画の初年度となる今期は、3分野で差別化素材の製品対応を強化する考え。

特に旧MBTが得意とした素材ビジネスの機能活用を軸とし、高機能テキスタイル「パーテックス」を用い、スポーツ衣料を開拓するほか、アクリル原料の取り扱い実績をインナー分野の製品一貫対応につなげる。従来、差別化できていなかった国内外のユニフォーム分野に向けた素材開発や縫製品供給も「防護衣料の高機能化が進む中で期待できる分野」として注力する。

素材輸出が主力だった旧MBTが持つ素材開発やマーケティングノウハウとこれまで製品OEM・ODMで蓄積した企画提案機能や国内外の生産背景を組み合わせ、製品までの一貫対応力として訴求していく。

このほか、海外展開や新商材の模索など顧客が抱える課題の解決につながるサービス機能の強化も目指す。テキスタイル総合ブランド「クロスアプリ」は、消費者への直接的な情報発信も実施し、店頭販売に貢献させるほか、ブランドインポート事業も買い付け先の数や地域を拡充する。三井物産本体と連携した、総合商社のネットワークを生かしたサービス提案も進めて行くという。

2017年4月11日(火) 繊維ニュース3面

2017.04.10  

個性的な商材提案

MIFインキュベーション事業 合同展で2ブランド披露

三井物産アイ・ファッション( M I F )でデザイナーブランド 向け製品OEM・ODMを担当する営業統括第一本部第二事業部が、新進デザイナーと顧客を結ぶインキュベーション事業で、2ブランドを紹介する合同展を同社(東京都港区)で開いた。「プラスチックトーキョー」と「カピエ」を披露した。

同事業部の倉持薫参事は、新鮮味のある商材に対するニーズが店頭、消費者段階で高まっているとみる。消費者自身がコーディネート力をつけ、さまざまなテイストの衣料を自由に組み合わせる傾向が一般化する中で、売り場の品ぞろえも対応させる必要がある。インキュベーション展では単品のモノ作りで特徴ある新進ブランドを紹介。若手デザイナーの販路拡大を支援するとともに、出展ブランドとの今後を見据えた関係づくりにもつなげる。

プラスチックトーキョーは、2 0 1 6年の毎日ファッション大賞で新人賞を受賞したデザイナー今崎契助氏が手掛ける、13年にスタートしたブランド。国内セレクト向け卸のほか、パリや上海での展示会出展をきっかけに海外にも販路を持つ。ストリートファッションを背景にモードテイストを表現するアイデアが同賞の受賞につながり、17秋冬からレディース商品にも着手。パーカやコーチジャケットなどのメンズアイテムに透け感のある素材やオフショルダー仕様を取り入れ、女性らしさを加えた。

「 1 0 0年後も着たいニット」を打ち出すのがカピエ。「ラルフローレンブラックレーベル」でのデザイナー経歴を持つ大島郁氏は、多くの著名デザイナーを輩出したセントラルセントマーティンズ芸術大学でテキスタルを専攻。ニットに異素材を織り込んだプルオーバーやカーディガン、カシミヤブークレ糸使いと布帛を組み合わせるなど異素材複合のテクニックを駆使してニットの良さを引き立たせるモノ作りを得意とする。「取り組み先との意思疎通が緻密でないとイメージするモノ作りができない」とし、国内工場を自ら開拓したと言う。

2017年4月10日(月) 繊維ニュース3面

2017.03.31  

総合力で素材開発に注力

三井物産アイ・ファッション( MIF )は、ボリュームゾーンから中級品向けを念頭に、外資を含む現地企業の協業先を開拓してベトナムでの素材開発機能を強化する。スポーツ、アウトドアウエア向け高機能素材の開発を得意とする旧三井物産テクノプロダクツのノウハウは同社の強み。台湾メーカーとの取り組み実績を外資系、現地企業との取り組みに展開する。

三井物産本体のベトナム現地法人の人材とも連携し域内で調達した原糸を国内ニッターに供給するなど、サプライチェーンを工夫してベトナム製素材の開発能力全体を高める。MIFにとってベトナムは、中国以外の縫製拠点で注力。特にハノイ中心の北部エリアが、ボトムス専用ラインを保有するなど大半を占める。比較的 、安定した政情と人件費、リードタイム、素材産業の発展への期待からASEAN地域内での優位性が高いとみるほか、米国が環太平洋連携協定から離脱したことで、日本向けの開発案件に意欲を高める現地企業が増える効果も今後、期待できるという。

2017年3月31日(金) 繊維ニュース11面

2017.03.30  

素材でファッション楽しむ

「クロスアプリ」 展開

三井物産アイ・ファッションはこのほど、消費者が素材からブランドや服選びを楽しめるよう、素材をカテゴリー別にサイン化する取り組み「クロスアプリ」の展開を聞始した。同時にサイト(http://cloth-app.com)もスタートした。

製品に使用される素材がどのように生産され、どのような機能を持ち合わせているのかを分かりやすいサインで表現し、ファッションの同質化が懸念される近年の市場で、素材から購買動機をそそることを図る。素材特性を作り手側から消費者に直接、情報提供することで生産者と消費者と信頼関係を築き、商品価値を高めていくことも狙いにある。

各アパレルブランドの店舗に入荷する該当製品には、商品タグとともにクロスアプリのサイン化したタグが取り付けられる。Eコマースの定着で、現物を手に取る機会が少なくなった消費者に素材を知ってもらうためにも有効で、ネット購入時の返品解消にもつなげたいとの考え。

サイトでは、コンセプト動画やトレンド情報、クロスアプリ取り扱いアパレルブランドの紹介などを随時配信していく。

2017年3月30日(木) 繊維ニュース3面

2017.03.30  

素材の新ブランド「クロスアプリ」を発売

三井物産アイ・ファッションは29日、テキスタイルブランド「クロスアプリ」を発売、ブランドサイトを立ち上げた。

「素材からのアプローチで消費者に服選びを楽しんでもらいたい」と独自開発および独自セレクションする生地をクロスアプリとして17年春夏からブランド化する。「生産者の思いを消費者に伝える」「素材の作り手が見える」ことをテーマに、製品に使われている素材がどのように生産され、どんな機能を持っているのかをサインで表現し、素材が購入動機の一つになることを目指す。

「コンフォート(快適性)」「ボタニック(植物繊維)」など20以上のサインを作り採用ブランドに商品タグとしても活用してもらう。今後は店頭と連動したキャンペーンや取り扱うブランドとのイベントなど積極的にプロモーションを仕掛ける。

2017年3月30日(木) 繊研新聞2面

2017.03.29  

17~18年秋冬で婦人服2ブランドを独占輸入

セレクト店や専門店向けに

三井物産アイ・ファッションのブランドマーケティング事業部は17~18年秋冬、レディスウェアの「フェット・アンペリアル」「サン・アンドレス」の輸入販売を開始する。いずれも独占輸入販売権を取得しており、3シーズン目となるイタリアのバッグ「バルドーニ」、2シーズン目となるフランスのバッグ「フォスティン」とともに、セレクトショップや専門店向けに供給する。

フェット・アンペリアルは15年夏、フランスでデビューした。バロック建築、80年代パンク、ベル・エポックから着想を得た官能美を流動的な服で表現している。主に20代をターゲットとし、小売価格はシャツで約4万円、ブルゾンで約8万円、レザージャケットで14万~15万円。

イタリアのサン・アンドレスのデザイナーは、メキシコ人のアンドレス・カバイェロ。ルーツはメキシコで、ミラノとパリでファッションの研鑽(けんさん)を積み、それぞれの文化を融合させたデザインが特徴。柄もユニークで、主なターゲットは30代。中・軽衣料が4万~5万円、アウターは10万円台。

三井物産アイ・ファッションは16年4月、ビー・エム・シーの機能と既存のインポートを担当する人員を合体し、ブランドマーケティング事業部を発足させた。欧州ブランドのインポートやセレクトショップ向けの買い付け、ライセンスなど「ブランドビジネスをトータルで強化」(堀川譲二執行役員営業統括第一本部ブランドマーケティング事業部長)し、製品OEM(相手先ブランドによる生産)を担う事業部とも連携している。三井物産のグローバルネットワークの活用でロシアのファッションブランドの導入にも着手、今後は「米国ブランドの導入」も積極化する。

20代を対象にした「フェット・アンペリアル」
2017年3月29日(水) 繊研新聞4面

2017.03.24  

インポート事業拡大へ

展示会で 4 ブランド披露

三井物産アイ・ファッション(MIF)はインポートブランド事業の拡大を目指す。独占輪入するブランドを拡充して専門店、セレクトショップを中心に販路を広げる。マーケティングや販促手法の提案まで踏み込むなど情報発信機能を高めて取引先との関係を深掘りしながら事業拡大につなげる。今日24日までウエストギャラリーノーデザイン(東京都渋谷区)でインポートブランド4ブランドを紹介する17秋冬向け展示会を聞いている。

MIFでブランド関連を手掛けるブランドマーケティング事業部は2016年4月に設立。ブランドのインポート事業に着手し、17年度から本格的な販路拡大を目指す。発信力向が目的に4ブランドを紹介する展示会を開催している。

売り場の差別化につながる、特徴のあるブランドを衣料から雑貨まで幅を持たせながら8ブランド程度をめどに独占輸入権を取得して増やす考え。三井物産本体の海外ネットワークも活用して導入ブランドを開拓していく。

堀川譲二執行役員ブランドマーケティング事業部長によると専門店、セレクトショップを念頭に販路を広げる方針。「最終消費者との接点が多い専門店経由で着実に販路を増やす」とともに、新鮮味のある商材に関心が高く、多くの店舗を持つセレクトショップでの取り扱い拡大による成長戦略を描く。

国内顧客には、扱うブランドの幅広さを訴求するほか「売り方やプロモートの仕方まで踏み込んでいく」。ブランド本国にはきめ細かいマーケティ ング機能を発揮するなど、取引先とのコミュニケーションの深掘りを事業拡大の鍵とする。

展示会ではバッグブランドとしてイタリアの「バルドーニ」、パリでスタートした「フォスティン」のほか、ボタニカルをモチーフとしたオリジナルプリント柄が特徴のフランスの婦人服ブランド「フェテ アンペリアル」メキシコ出身のデザイナーが手掛ける伊ブランド「サン アンドレス」を紹介した。

2017年3月24日(金) 繊維ニュース3面

2017.03.21  

シャツに遊び心を

MIFインキュベーション展で

「河谷シャツ」

三井物産アイ・ファッショ ン(MIF)が今月順次開いている新進デザイナーと顧客を結ぶインキュベーション事業は16,17の2日間、ユニセックスシャツブランド「河谷シャツ」を紹介した。ブランドを運営するプレインズ・インターナショナル(東京都新宿区)の河谷義人代表取締役に特徴と今後の展望を聞いた。

シャツをとことん遊ぶ

―河谷シャツの特徹を教えて下さい。

他にはない遊び心のあるシャツを提案しています。プリント柄や異素材組み合わせなど自由に発想し、シャツというアイテムをとことん遊ぶことにこだわっています。ボトムスを手掛ける要望もありましたが、コーディネートとのバランスでシャツ企画の自由度がなくなってしまうので、避けています。30代半ば~60代男性が着やすいように、ゆったりとしたパターンにしていますが、インターネット通販やポップアップショップで展開する現状では、40代前後の女性からも好評で購入比率も50%ずつです。

―ブランドを設立した経緯は。

ある時、シャツを買いに出かけたのですが、当時は細身がトレンドで、自分に合うものを見つけることができず、それなら自分でやろうと考えたこときっかけです。2011年に初めてのコレクションを発表しました。

―今後の展望は。

認知度を高め、次のコレクションに期待されるようなブランドにしたいですね。アイデアの自由さを常に発信して行きたい。こうしたブランドコンセプトを維持するためにはサプライチェーンで工夫が必要です。アイデアを、品質を損なわずにしっかりと製品に落とし込む企画体制が欠かせませんし、アイデアを実現する生産地も構築が必要です。主力の縫製地は中国ですが、特殊ミシンを持つベトナムの工場も開拓するつもりです。ただ、あまり数量が多くなると「他にはない」という魅力が下がってしまうかもしれないので、取り組み方をどのように最適化するか考えていきます。

2017年3月21日(火) 繊維ニュース3面

2017.03.13  

販路拡大、ODMも視野

MIFインキュベーション展で

「ザ・チノ リヴァイブド」

三井物産アイ・ファッショ ン(MIF)は、今月順次展 示会を聞いている、新進デザ イナーと顧客を結ぶインキュベーション事業で9、10日の2日間、メンズパンツブランド「ザ・チノ リヴァイブド」を紹介した。ブランドが手掛ける山口純平氏に特徴と今後の展望を聞いた。

こだわり抜いたパンツ

―ザ・チノ リヴァイブドの特徴を教えて下さい。

30代~50代の男性に向け、妥協せずにこだわり抜いたモノ作りによるチノパンツ、綿パンツを主体に展開していま す。チノパンツは60番三子撚り糸を高密度に織ったハリ・コシのある独自素材を日本企業の上海直営工場で縫製しています。製品仕様も手縫い風のステッチを表現するミシン裾まで採用したほか、ファスナーはスイス・リリー社を使用しました。裏側もスレーキをヘリンボーン柄にし、パイピングにもこだわっています。綿パンツはモールスキンやコーデュロイタイプの他、スラックスタイプのインディゴパンツもあります。緯糸に綿・ウール混紡糸を用い機能面も重視しました。

パンツは特にメンズでは長く着ることが前提で、固定化につながりやすいアイテムです。だからこそ、こだわり抜いて作り込むことが必要だと考えています。

―現在の展開状況は。

大手百貨店販路のほか、小売店、セレクトショップで販売しています。メンズファッション総合展「ピッティ・ウオモ」への出展を通じてイタリアからの発注も獲得しました。

提案する上で重視しているのが、モノ作りのこだわりを最終消費者まで確実に届ける取り組みです。素材や製品仕様の記載した資料をシーズンごとに作成しており、卸先に直接、説明しています。雑誌やインターネットで容易に情報が取得できる時代の中で、店頭でも同等以上のレベルで商品の魅力が伝わらなければなりません。

―今後の展望は。

小売り、セレクトショップへの販路を広げるとともに、海外販路も伸ばしていきたいですね。加えて、モノ作りで培ったノウハウを生かして、素材開発のほか、ODMも手掛けたいと考えてい ます。

2017年3月13日(月) 繊維ニュース3面

 

 

2017.03.08  

デザイナー育成を本格化

 商談会の開催で販路開拓を支援

三井物産アイ・ファッション(MIF)は、国内デザイナーのインキュベーション事業を本格化させた。この一環で同社ショールームを活用し、国内の新進デザイナーのアイテムを披露する商談会を開催している。今月だけで4ブランドの商談会を予定し、「物作り、売り場設置、インターネット販売など様々なサポート」(岩村隆生営業統括第一本部第二事業部長)を行う方針だ。

商談会の第1弾として2、3日には、きものに着眼したレディスブランド「ホワイト・ピジョン」の商談会を開いた。ホワイト・ピジョンは、日本産の一枚布を使用したワンピースが主力アイテムで、残布を発生させない仕立てとデザインが特徴。着方や結び方を通じて、幾通りものデザインを楽しむことができ、京都や米沢など国産テキスタイルを使っている。

ブランドのデビューは14年。デザイナーであり、ホワイト・ピジョン(新宿区)の代表取締役でもある河野祥子が考案した。

ストールは三越日本橋本店で常設店を構えるが、今後、ワンピースや竹細工の販路を開拓する考えで、今回、MIFの商談会に参加することにした。「日本各地の染め、織りの技術を活用し、デザインの力で地方創生に貢献したい」(河野さん)としている。

小売価格はストールで3万5000円からで、大判タイプは8万5000~11万円。ワンピースが7万~11万円。

商談会は、9、10日が国産でこだわりのメンズパンツ「ザ・チノ・リヴァイブド」、16、17日がオリジナルシャツの「河合シャツ」、29、31日には16年(第34回)の毎日ファッション大賞で新人賞を受賞した、今崎契助の「プラスチックトーキョー」。

商談会の第1弾として披露された「ホワイト・ピジョン」は残布を生まず、環境に配慮する
幾通りものデザインを楽しめるのも特徴
2017年3月8日(水) 繊研新聞4面

2017.03.07  

往来

「中立的な商社だからこそ、良い立ち位置でさまざまな付き合い方ができる」と話すのは三井物産アイ・ファッション営業統括第一本部第二事業部の岩村隆生事業部長。デザイナーブランドの製品OEM・ODMを手掛ける同事業部では、新進気鋭のデザイナーと顧客、市場へのアピールをつなぐインキュベーション事業を開始した。次世代を担うクリエーターとの今後を見据えたきっかけ作りもあるが、デザイナーが直面するモノ作りや資金面での課題や悩みの解決に貢献するプラットフォームとしての商社の意義を語る。

2017年3月7日(火) 繊維ニュース2面

2017.03.06  

新進デザイナー紹介

3月に順次5ブランド

三井物産アイ・ファッション(MIF)でデザイナーブランド向け製品OEM・ODMを担当する営業統括第一本部第二事業部は、若手デザイナーと顧客を結ぶインキュベーション事業で展示会を開いている。特徴あるデザイン、技法、コンセプトを持つ5ブランドを3月に順次紹介していくもので、第1弾として2、3日に、ミセス向け婦人服・雑貨を手掛ける「ホワイト ピジョン」が百貨店や専門店などと商談を行った。

インキュベーション事業は、デザイナーの販路拡大をサポートするものとして開始したもの。MIFが持つ縫製背景や独自開発素材の提供を中心に、Eコマースを含めた販路の紹介、プロモーション機能の提供や海外販路開拓のサポートなど、デザイナーが要望に応じてMIFサービス機能を活用する。次世代のデザイナーとの今後を見据えた関係作りにも役立てたい考えだ。1週ごとにブランドを替えて3月中に5ブランドを紹介する。

複数通りの着方、楽しみ方を

「ホワイト ビジョン」

ホワイト ビジョンの河野祥子代表取締役にブランドの特徴と今後の展望を聞いた。

―ホワイト ピジョンの特徴を教えて下さい。

婦人服とストールが主要商品です。30代~40代女性をターゲットとしており、婦人服は、1枚の布を残布なく使い切り、1着の洋服で複数通りの着方、楽しみ方ができるデザインを提案しています。インドネシアの民族衣装や日本の袴などから着想を得てパターンニングしました。生地は日本の伝統的な織り、染めの技法を取り上げ、日本の伝統工芸や意匠性を新しいファッションとして生み直すことがコンセプトです。ストールも、例えば、奄美大島の泥染めに江戸小紋を乗せるなど、全国各地の織、染技法結び合わせて独自性とブランド価値を高めるモノ作りをしています。

―ブランド設立の経緯は。

ブランド設立は2011年でストールから始めました。ウエディングドレスのデザイナーをしていたときに付き合いがあった福島県のテキスタイルメーカーの生地に注目し、どのようにその良さを伝えられるか考えるようになったことが始まりです。ストールなら差別化できると思い至りました。婦人服の取り扱いを始めたのが14年です。そこでしかできないモノ作りや技術が日本にも世界にもたくさんあります。デザイナーとしてそれらをくみ取っていくべきと思ったことが設立の発端です。

―後の展望は。

日本の産地だけでなく、世界各地の産地の技法を使い、1枚の布を使い切るブランドコンセプトとともに新しい感動を提案できればと思っています。地域産業を守り、かつ、収益を生む形で成長させて雇用創出につなげたいという最終的な目標もあります。百貨店や高付加価値商品を扱うセレクトショップへの販路拡大のほか、Eコマースを通じた流通拡大も目指したいと考えています。

2017年3月6日(月) 繊維ニュース3面

2017.02.22  

越素材開発機能を強化

欧州、内需拡大も見据え

【ホーチミン=石川亮】三井物産アイ・ファッション(MIF)は、ベトナムでの素材開発機能を強化する。ボリュームゾーンから中級品向けを念頭に外資を含む現地企業の協業先を開拓する。衣料向けで機能素材など特徴を出せる分野に注力し、対日だけでなく、欧州向け製品OEM・ODMの拡大に生かす。

スポーツ、アウトドアウエア向け高機能素材に強みを持つ旧三井物産テクノプロダクツの開発ノウハウを生かす。台湾メーカーとの取り組み実績を外資系、現地企業との開発に活用する。三井物産本体のベトナム現地法人の人材とも連携し、域内から調達した原糸を国内ニッターに供給するなど、ベトナム製素材の開発能力全体を高める。

ベトナムはMIFにとって、中国以外の縫製拠点で主力産地。ハノイを中心とする北部エリアが、ボトムスで専眉ラインを保有するなど大半を占め、重衣料やスポーツウエア、カジュアルの生産を得意とする。主力販路向けにボリュームゾーンから中級品までを念頭に現地で素材を開発する。

米国が環太平洋連携協定(TPP)から離脱したことで、日本向けの開発案件に意欲を高める現地企業が増える効果も今後、期待できるという。

こうした素材開発機能の強化は、対日製品OEM・ODMで素材の現地調達ニーズが高まっていることが背景で、縫製までの一貫対応を念頭とした機能強化となる。同時に、欧州向けや将来的には内需向け製品ビジネスの拡大にもつなげる考え。MIFの香港関係会社であるアルタモーダインターナショナルが取り組む第三国向け製品ビジネスの付加価値要素にベトナム製の独自素材を活用する。

国内外での製品ビジネス拡大に向けて、ベトナムは最重要拠点としての位置付けを継続する。比較的安定した政情と人件費、リードタイム、素材産業の発展への期待からASEAN地域内での優位性が高いとみる。ユニフォーム生産の着手など生産品種を幅出しするとともに、生産拠点は入れ替え、集約など今後は、生産性向上に注力する。

2017年2月22日(水) 繊維ニュース3面

2017.01.31  

カナダのダウンジャケット「クオーツ」販売へ

三井物産アイ・ファッションは17~18年秋冬から、カナダのダウンジャケット「クオーツ」の販売に乗り出す。主体はセレクトショップ向けの製品供給を手がける第三事業部。

クオーツは、97年創業のカナダブランドで、製造の大半はケベック州モントリオール周辺で行っている。ダウンはケベック州もしくは草原地帯のカナダ産ホワイトダックを使用。参考小売価格は8万円台や9万円台が中心。サイズおよびフィットは、レディスではスリム、セミスリム、リラックスの3タイプ、メンズはこれらにエクスペディションを加えて4タイプ。

第三事業部はこのほか、ニュージーランドのニット主力の「アンタッチド・ワールド」の輸入販売も開始する方針。「セレクトショップの店頭での差別化につなげたい」としている。

サイドにあしらったアイコンも目を引く

2017年1月31日(火) 繊研新聞1面

2017.01.27  

企画提案”見せ方’’も重要

小売り向け17秋冬展

三井物産アイ・ファッションは、ショッピングセンターや駅ビル業態などヤングレディースを中心の小売り業態向け製品OEM・ODMの企画提案で、単品・スタイリングに加え商品の見映えを高める雰囲気の重要性を展示会での訴求に取り入れる。27日まで同社(東京都港区)で開く同分野向け17秋冬展示会では、トレンドの落とし込み、付加価値素材の打ち出しを強めるとともに、顧客との連携強化を目的に展示会全体の構成に従来より意識的に取り組んだ。

ヤングレディースを中心に製品サンプル約45o点を披露する。フェークファー、ベルベット、コーデュロイといった素材使いのほか、アウターではカラーレスタイプの企画に力を入れるなど、トレンドを落とし込みつつ、顧客ブランドの価格帯に適合する形で付加価値素材の打ち出しにも注力した。

混紡や中空糸使い、交織など生産技術で素材を軽量化する「クラウド」シリーズをはじめ、廃棄わたを再活用したウール素材、防汚加工品やストレッチ素材など、標準的に求められる機能素材を、消費者への直接訴求も含めた独自素材ブランド展開「クロスアプリ」と絡めてアピールした。

提案販路を絞った展示会の開催は17春夏に続く2回目。前回の打ち出しが取り組み増加につながったことか ら、雰囲気づくりを重視する形で構成を練り込んだという。ヤングレディース向けを意識して、製品サンプルだけでなくブースも構えも鮮やかな色使いで、見栄えを意識した。

顧客は店頭のマーチャンダイジングも意識して商品を検討するため、商社側もそれを意識して発信することが必要になっているようだ。

このほか、カナダ発のダウンウエアブランド「クオーツ」、ニュージーランドのニットメーカー「アンタッチド ワールド」といった海外2ブランドも紹介。また、クロスアプリでは3月半ばにホームページを開設し、消費者向けの情報発信を本格化させる。

2017年1月27日(金) 繊維ニュース2面

2017.01.27  

「毛足のあるもの」いっぱい

楽しさを表現

「原点に立ち返って、洋服本来の楽しさを表現した」。三井物産アイ・ファッションが27日まで開いている17~18年秋冬向けの展示会のテーマは「ハッピー」。ピンクと赤を基調に、「毛足のある」サンプルのオンパレードだ=写真。「楽しんで服を作ろうよ」のメッセージに、「来場者の反応も良い」という。

同社の製品展は従来、秋冬、春夏ごとに1回ずつ開いてきたが、昨年行った17年春夏向けから、百貨店アパレルなど中高級ゾーンとファッションビル向けなどが対象のリーズナブルなゾーンとで別々に開催することにした。今回は、リーズナブルなゾーン向け。若手メンバーが主体となり、ハッピーをテーマに選んだのは最も若い営業担当の発案。「普通の商品を並べても見栄えしないし、楽しくない」との判断から、「攻めてみた」。

会場入り口すぐの提案ブースは「一大トレンド」のピンクと赤で装飾。製品サンプルも、独自開発および独自セレクションの素材をブランド化した「クロスアプリ」を散りばめながら、ファー、ボア、シャギー、ベロア、コーデュロイ使いのアイテムを強く打ち出した。鮮やかな色使いとともに、毛足が長く、表情豊かな素材を使うことで、「服作りの楽しさを感じてもらえれば」としている。

装飾もピンクと赤を中心に構成。来場者をハッピーな気分にする効果が生まれている
2017年1月27日(金) 繊研新聞1面

2016.12.28  

高感度テキスタイル紹介

デザイナーブランド向けに

三井物産アイ・ファッション(MIF)は、国内デザイナーブランド向けの製品OEM(相手先ブランドによる生産)、ODM(相手先ブランドによる企画・生産)で、国内テキスタイルデザイナーのコレクションを紹介する。国内のデザイン会社と組み、デザイン会社がオリジナルで制作した生地をMIFを通じて顧客ブランドが活用できる仕組みを取り入れ、感度の高いモノ作りに貢献する基盤を整える。

営業統括第一本部第二事業部が提案する。テキスタイルクリエイター集団のKDS、デザインオフィスPOOLSと組み、それぞれが欧州ラグジュアリーブランド向けなどで制作した感度の高いオリジナルの国産テキスタイルコレクションを同事業部の主力顧客である国内デザイナーブランド向けに紹介し、製品OEM・ODMにつなげる。

第二事業部ではこうした感度の高いモノ作りに貢献する基盤整備を強化する考えで、17春夏向けで提案したポルトガル一貫生産にも継続して取り組む。

日本より低価格で縫製できるコスト感や安定性などの使いやすさと欧州トレンドを反映した素材開発力を訴求する。個別対応できるインクジェットプリント商材のほか、ニットでもカシミヤ、シルク、アルパカといった付加価値の高い天然素材を、価格競争力を持たせて展開する。

2016年12月28日(水) 繊維ニュース2面

2016.12.16  

17~18年秋冬向け 素材のアピール強化

「クロスアプリ」が重点

三井物産アイ・ファッションは17~18年秋冬向けで、素材提案を強めている。上旬に開いた展示会でも会場スペースの約半分を素材で占め、独自開発および独自セレクションの素材をブランド化した「クロスアプリ」を重点的に提案するとともに、高密度織物「パーテックス」の独立ブースも設置し、差別化を打ち出している。

同社は10月1日付で、三井物産インターファッションと三井物産テクノプロダクツ(MBT)が合併し、始動した。従来から独自素材を開発していたが、新体制の発足を機に、その流れを強めている。クロスアプリは当初、コンフォート、リサイクルなど9種類でスタートしたが、23種類に拡大。さらにパフォーマンスシリーズとして3種類を追加し、合計26種類となっている。紙糸と合繊を複合した「和くろす・ハイブリッド」もクロスアプリに含めており、17年春夏から消費者へのPR活動を開始する。

すでに動画サイトにクロスアプリを紹介するものをアップしたほか、来年にはクロスアプリのホームページも立ち上げる。ブランド浸透に向けては、製品OEM(相手先ブランドによる生産)の顧客とともにプロモーション活動を推進、顧客に向けてタグの使用を呼びかけている。

パーテックスは、これまでMBTが素材販売してきたが、合併を機に製品OEMでの活用を進める。MBTはフェイクファーの取り扱いにも定評があり、フェイクファーの製品OEMも加速させる。

製品のアイテムでは、ミドラーに着目。「アウターがなかなか売れないこともあり、中に着用するアイテムを充実させることが需要喚起に有効」と見ている。

17~18年秋冬向けの展示会は、来年1月25、26日にも開催する。今回は百貨店アパレルなど中高級ゾーンを主な対象にしていたが、次回はリーズナブルな価格帯の顧客が対象。これまでは春夏、秋冬で各1回の展示会開催だったが、顧客によって提案内容や時期が異なるため、17年春夏向けからシーズンごとに2回に分けて実施することにしている。

展示会でもスペースの半分を素材が占めた

2016年12月16日(金) 繊研新聞4面

2016.12.13  

デザイナーのインキュベーション事業に着手

三井物産アイ・ファッション(MIF)は国内デザイナーのインキュベーション事業に着手する。自社の調達、物流機能にとどまらず、ファッションビルやディベロッパーの紹介、プロモーションを得意とする企業との協業といったスキームを構築し、国内デザイナーに提供する。デザイナーの運転資金についても、金融機関との協業を準備、「次世代のデザイナーを育てるプラットフォームとして活用」(岩村隆生営業統括第一本部第二事業部長)する。 MIFの第二事業部の主な業務は、国内デザイナーブランド向けの製品供給だが、「デザイナーへの支援、育成も重要な役割」と判断した。日々、デザイナーと接する中で、「最も高いニーズが売り場確保」だったこともあり、ファッションビルやディベロッパーの紹介をスキームに含めた。MIFは「アジア・ファッション・コレクション」に協賛するなどデザイナーを支援しているが、今回のスキームに関してパルコにアプローチ。パルコも「アジア・ファッション・コレクションでのつながりをきっかけに、さらに一緒にできることを検討している」。

すでに複数のデザイナーブランドと話し込みに入り、調達面でのサポートを先行している。この一環で、国内、中国、ベトナムの背景に加え、欧州ブランドの縫製で定評があるポルトガル生産の仕組みを提供し、日本のテキスタイルデザイナーによるコレクションも提案している。

今後、全体のスキームを構築する予定で、三井物産グループのネットワークを生かし、デザイナーと異業種との協業も推進する。

2016年12月13日(火) 繊研新聞1面

2016.12.09  

消費者への情報発信強化

三井物産アイ・ファション(MIF)は独自素材の総合ブランド「クロスアプリ」のサブカテゴリーとして「クロスアプリ パフォーマンス」を加える。得意とするスポーツウエア向けOEM(相手先ブランドによる生産)、ODM(相手先ブランドによる企画・生産)を取り組み拡大に生かす。3素材で構成するサブカテゴリーとして展開し、ファッションアパレルのアスレジャー企画ニ一ズに提案する。今日9日まで同社(東京都港区)で百貨店、セレクトショ プ業態向けの17秋冬総合展示会を開催している。

クロスアプリはMIF独自素材の総合ブランド。生地の機能ごとに23のサブカテゴリーを設けており、17秋冬向けにクロスアプリパフォーマンスを加えた。防水・防風・透湿機能の「ハイドロシェル」、軽量・耐久機能の「フライトシェル」、都市の環境変化に対応する「アクティブシェル」の3素材で構成する。ファッション衣料ブランドが求めるタウンユース向けアスレジャー企画要望に応じた、使いやすい機能素材として訴求する。

クロスアプリのブランディングは最終消費者ヘ直接的な情報発信を重視したもの。素材の持つ機能を、各カテゴリーで設けたロゴと簡略なメッセージで容易に想起できるものにし、クロスアプリの下げ札が付いた製品の購買につなげる取り組み。このため、消費者認知を高める施策をポイントとし、インターネットを通じて強化する。2月にはソーシャル・ネットワーキング・サービス「フェイスブック」上にサイトを開設する。クロスアプリ素材の採用ブランドと取り組んだイベントも検討する。

2016年12月9日(金) 繊維ニュース2面

2016.11.02  

往来

「国内では、少なくとも規模が増えていくことはないと思われる中で、商社がどう生き残っていくかは簡単な問題ではない」と語るのは、三井物産アイ・ファッションの白崎道雄社長。無駄な商品、売れない商品を作 ってはいけないという在庫の最小化に向かう流れは、ボリュームを追ってきた商社の製品ビジネスとは相反するもので、モノ作りの手法が変わっていく。こうした状況を勝ち抜くには、30代の若手人材による発想も必要 だ。「〝 好景気〟を実感した経験がない世代だけに、違う発想ができるはず」と語る。

2016年11月2日(水) 繊維ニュース2面

2016.10.31  

【商社】進化する商社の製品展:現場主導で新たな工夫

春夏、秋冬で各1回、総合的な展示会を開催してきたが、17年春夏向けでは価格帯別に2回に分けて実施した。顧客が百貨店向けアパレル、セレクトショップ、SPA(製造小売業)と多岐にわたり、日程や価格帯でずれが生じることから実施したもので、6月には百貨店アパレルなど中高級ゾーンを主な対象にした展示会を開催。続いて7月にはセレクト、駅ビル系に向けて、リーズナブルな価格帯にこだわった展示会を開いた。 とくに7月に開いた展示会は、若手メンバーのアイデアから生まれたもので、会場も音楽フェスのような雰囲気を醸し出した。ウェアだけでなく、帽子、バッグなど雑貨も豊富に揃え、製品サンプルは約500点を数えた。展示会には顧客への発信、商談促進という意味合いが第一義的だが、現場主導で実現したことは「社内の人材育成という点でも意義がある」と見ている。

展示会は毎回、独自素材のブランド化、会期延長など新たな趣向を凝らしてきたが、ユニークなのが店頭での見せ方を意識した打ち出しだ。とくに16年春夏向けで披露したのが、POP(店頭広告)を絡めた提案で、「アパレル、小売業の店舗スタッフが消費者に分かりやすく商品を説明できるように」にパネルを多用した。

三井物産アイ・ファッションは10月1日付で、製品OEMを主力とする三井物産インターファッション(MIF)と原料、生地輸出を強みとする三井物産テクノプロダクツ(MBT)が合併して誕生した。旧MBTは独自に展示会を開いているが、旧MIFの紙糸使いの「和くろす・ハイブリッド」を展示するなど以前から連携を重視しており、今後も融合が進むものと見られる。

雑貨も豊富に揃えた7月の展示会

2016年10月31日(月) 繊研新聞6面

2016.10.25  

2016秋季総合特集 トップインタビュー

三井物産アイ・ファッション 社長 白崎 道雄氏 新たな価値提供に注力 業界全体の効率化が必要

旧三井物産インターファッションと旧三井物産テクノプロダクツが統合して発足した三井物産アイ・ファッション。素材で存在感を発揮する形でグローバル展開につながる基盤が備わり、新たな開発を含め、この機能を伸ばしていく考えだ。さらに、三井物産グループの総合力も積極的に活用して、5年後の業界を見鋸えた新たな機能を発揮していく。

―製品OEM事業の本年度上半期を振り返るといか がですか。

円高が急速に進行し、定着した分だけ、収益性はやや改善し た印象があります。ただ、これは円高で隠れてしまった部分があると言うこともでき、地合いが良くなったとは感じていません。喜べる状況にあるとは言えず、顧客とともに悩む状態は続 いています。

―QR・小ロット対応を求められる傾向が強いようです。

期近まで発注を引き付け、クイックデリバリーで生産する対応と製造原価を抑えるために東南アジアで生産する組み合わせが進んでいると感じます。アクセルとブレーキを、市況を見ながら慎重に運転する傾向が見られます。これまでは東南アジア地域への生産が強い勢い進んできましたが、やはり中国の裾野は広い。デザイン提案能力、素材開発力など対応力の高い中国メーカーが受注を戻していると聞きますし、東南アジアへのシフトも中国メーカー自身が進出するケースも多いですから、組み合わせが可能なこうしたメーカーはオーダーを増やしています。

―市場環境をどう捉えていますか。

9月の状況を振り返ると「勝ち組みがいない」という気がしており、地合いの悪さが一段と進んでいます。流通再編を含め、業界全体が大きな過渡期に差し掛かっているのではないでしょうか。売れない物、無駄になる物を作ってはいけないという時代が入口減の日本の中でやってきている印象を受けます。価格構造、モノ作りのやり方、在庫の持ち方が従来の手法では限界に来ており、これを切り替えるのは業界全体で取り組むことです。

―5年後の繊維業界を見据える中で、こうした流れは加速していく。

適時・適量・適化でロス徹底的に排除していく流れは加速するでしょう。その中で商社がどの立ち位置で事業をするのかは、これまで規模を追ってきただけに難しいですね。世の中全体が〝質〟に向かう中で当社としてのビジネスモデルの立ち位置が物流なのか、事業投資になるのかはしっかりと判断しなければなりません。

―製品OEM(相手先ブランド による生産)プラスαの強い機能も必要になるでしょうか。

そんな思いもあり、三井物産アイ・ファッションとして新たなスタートを切りました。非アパレル分野、海外展開が可能になり、繊維の世界的な需要拡大をこの5年間でいかに取り込んでいくかが当社にとって重要な課題です。旧MBTが手掛けてきた産業資材を含む素材ビジネスはマーケティング能力が認められて継続してきました。この機能を伸ばすことができます。

―特に独自の衣料用素材は海外市場向けの製品ビジネスに生かす考えですか。

製品OEMの海外展開は、独自性を持つかが継続する条件です。独自素材があり、継続的に開発する土壌もできたので、素材で存在感を発揮したいと考えています。ただし、その素材のプランディングも欠かせないでしょうね。輸出は商社の原型です。新しい市場を新しい商品で攻める姿勢は国内市場を新たな価値提供で開拓することにも役立つはずです。

5年後の市場の風景は変わっている。その中で新機軸となりうるような顧客との取り組みを始めていますし、マーケティングツールとして当社の機能素材をアピールする「クロスアプリ」の打ち出し方も導入、売り方に積極的に加担していく仕組みも取り入れました。三井物産の総合力を生かし、メディアや物流を観点に商品供給以外の価値提案も積極的に検討します。

好きな街 地方都市活性化を期待

18歳まで過ごした故郷である北海道札幌市を挙げる白崎さん。たまに帰省するたび、豊かな自然と都会の利便性が共存する地方都市の住みやすさを感じるという。「地 元で仕事があれば、北海道から出ていたかどうか分からない」と語る裏には、東京に極集中する今の日本に対する疑問もうかがえる。それゆえ、モバイルワークの進展には期待する。慢秀な人材をリーズナブルなコストで活用できるチャンスも出てくるからだ。札幌だけでなく、魅力ある地元の都市で働きたい人はいるはず。

2016年10月25日(火) 繊維ニュース12面

2016.10.14  

独自素材が集結

パーテックスなどで展示会

三井物産アイ・ファッションは12、13日、同社が展開する独自素材の展示会を都内で開いた。機能テキスタイル「パーテックス」、中わた素材「プリマロフト」で新素材を紹介。紙糸複合素材の「和くろす・ハイブリッド」では、採用拡充を目的にフルアイテムでの製品サンプルを披露した。パーテックスは軽量性を追求した「カンタムGL」で、経糸8デシテックス(T)、緯糸6Tのナイロン高密度織物を披露。21・5グラムの目付は同シリーズでも最軽量素材となる。

顧客ニーズや主力の輸出先である欧米のトレンドに合わせたテーマ設定でパーテックスシリーズを編集した点も展示会の特徴。リサイクルポリエステルとナイロンを用いたエコ素材で来場者の企画ニーズを掘り起こすとともに、要望が高いストレッチ素材についてもパーテックスシリーズからピックアップして披露した。

ポリエステル機能中わたプリマロフトでも新素材を加えた。高い断熱性を持つ、シューズインソールなど素材向け素材「エアロジェル」や650フィルパワーのダックダウンをプリマロフトわたに埋め込んだシートわたを新たに手掛ける。特にダウン複合シートわたは、中わたジャケットの新企画につながるなど来場者に注目された。パーテックスとプリマロフト使いのカットソー素材とともに天然素材複合でファッション衣料用素材を提案した。和くろす・ハイブリッドはスポーツソックスからアウター、パンツ、横編みといったファッション衣料のフルアイテムまで製品サンプルを陳列した。百貨店アパレル向けの採用実績を基に、販路と商材をさらに広げる。

2016年10月14日(金) 繊維ニュース2面

2016.10.14  

高密度織物「パーテックス」で最軽量タイプ

三井物産アイ・ファッションは、高密度織物「パーテックス」で、1平方メートル当たりの重さが21・5グラムと最軽量クラスのダウンプルーフを開発した。高機能中わた「プリマロフト」では、極めて高い断熱性を持つ新素材を靴のインソールやグローブ用途に提案するなど、進化する機能を打ち出す。 21・5グラムのダウンプルーフは、目付けが25グラム以下の「パーテックス・カンタムGL」シリーズとして打ち出した。ナイロンで経糸に7デニール、緯糸に5デニールの糸を使い、強度を保ちながら極めて軽量に仕上げた。リサイクルポリエステルやナイロンを使った「パーテックス・エコ」シリーズでは、非フッ素撥水(はっすい)剤を使用したタイプをアピール。海外アウトドアアパレルから非フッ素撥水加工へのニーズが高まっており、日本向けでも提案を強める。また、通気性を持ちながらダウン抜けを防ぐストレッチ素材シリーズも広がりつつある。

プリマロフトは、新たに高い断熱性能を持つ「プリマロフト・エアロジェル」を提案。70年代に開発された空気層を97%含むという極めて軽量な固体「エアロジェル」を使用。これまで人工衛星や水道管の凍結防止などに使用されてきたが、靴やグローブなど「民生用途としては初めての商品」だ。エアロジェルを微粒子化して不織布に混ぜ、パウチ化することで使用する。空気層がつぶれないことで、圧力がかかった場合でも断熱性を維持。寝袋の敷パッドなどにも使用が見込まれており、アパレル用途の開発も進めている。

高いスペックが求められるスキーやアウトドアなどで採用が広がっている

2016年10月14日(金) 繊研新聞4面

2016.10.03  

「三井物産アイ・ファッション」設立の狙い

10月1 日付で新体制スタート 原料・素材からOEMまでワンストップで業界ニーズに応える

三井物産の子会社でOEM(相手先ブランドの生産)を手掛ける三井物産インターファッション(以下、MIF)と原料・素材を扱う三井物産テクノプロダクツ(以下、MBT)が10月1日付で合併 し、新会社「三井物産アイ・ファッション」として新たなスタートを切った。衣料品の国内市場が厳しさを増す中、新体制に移行する狙いは何か。

木原伸一=三井物産ファッション・繊維事業部長(以下、木原):製品のMIFと原料・素材のMBTの機能をワンストップの体制にすることで、より優れたサービスをお客さまに提供できるようになる。合併の理由はこれに尽きる。これに先駆けて4月にはやはり三井物産の子会社ビー・エム・シーのブランドマーケティング事業をMIFに統合した。川上から川下までの機能を有する繊維専門商社として成長軌道に乗せ、厳しい競争環境での生き残りを図る。

白崎道雄=三井物産アイ・ファッション社 長(以下、白崎):統合は三井物産グループとしてファッション・繊維業界に旗を高く掲げる意思表示である。原料・素材のお客さまに対しても、製品のお客さまに対しても、より広く、より深く、そしてより近くをキーワードとしてコミットメントする。奇策はない。われわれの持つ機能をとことんまで磨くだけだ。例えばMBTはメーカー機能を持っており、高機能素材「パーテックス」は世界の有名アウトドアブランドに採用されている。MIFの持つ多くの取引先の情報を活用し、第二、第三の「パーテックス」を産み出せれば、そこに新しいビジネスモデルを創出できる。

木原:統合が社員のモチベーションを高める機会になればと思う。新卒、中途間わず優秀な人材を集めるためにも、製品だけでなく、原料・素材まで含めた幅広いフィールドで活躍できる環境は魅力だろう。現役社員にとっても同じ。確固とした意思を持てば活躍の舞台は広がる。

白崎:統合後の社員数は海外現地法人を含めて約500人。東京、大阪、名古屋の3拠点に加えて、中国本土と香港の100%出資の現地法人、さらには三井物産の海外ネットワークを活用する形で米国、ベトナム、カンボジア、インドネシアにも駐在員を置いている。繊維商社としての専門性、総合商社のネットワークをうまく融合することで、さまざまなサービスを提供できる。

木原:三井物産の繊維事業の強みの源泉は、長い時聞をかけて培われた顧客目線による顧客満足の追求心だ。三井物産アイ・ファッションも詰まるところ顧客サービス業だと考えている。特定の機能で取引先と結び付くだけでなく、日々変化するマーケットニーズに基づいて、最適のソリューションを提供できなければ信頼は勝ち取れない。

白崎:あるお客さまはデサイン、別のお客さまはしっかりした工場、また別のお客さまは海外展開のサポート…。お客さまの悩みを解決に導くのが商社の腕の見せどころ。特に、多くのアパレルは今後の成長をアジア市場とにらんでおり、商社のグローバルなネットワークに期待を寄せていただいている。三井物産アイ・ファッションだけではできないことも、三井物産と一緒に取り組む ことで道が聞ける。

2016年10月3日(月) WWDジャパン24面