業態変革を志向
 

川下化と海外市場深耕

三井物産アイ・ファッション(MIF)の今井徳社長(5月7日付就任)は、既存のビジネスモデルを高度化しながら、業態変革に着手する。ビジネスモデルの高度化では投資を含めて機能の付加価値を上げていく。業態変革はモノ作り機能とデジタル施策、三井物産グループの総合力を生かして川下化を進め、海外市場の深耕も推進する。

MIFは今期(2020年3月期)、中期経営計画の最終年度を迎えた。中計2年目の前期に、売上高は目標を前倒し達成。利益面でも2年目の目標をクリアした。

今井社長は「ITを利用した社内の効率化やBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)などの成果」と見る。それでも「デジタル化の加速、マスカスタマイゼーション、シェアリングなど社会・産業の変化は急速。変化に応じて業務変革をいかに進めるかが課題」と言う。

このため、顧客ニーズや市場動向に一層対応した原料から製品、ブランドまでの事業を推進。そのビジネスモデルも投資を含めたアセットや仕組みを改革してビジネスの高度化を図っていく。海外での物流の仕組み作り、工場の専用ラインへの設備導入などに取り組む。

来年度からの新中計では、次のフェーズに立ち位置を変えて売買や貿易だけでなく、業態変革を進める。B2Cを含めた川下化と海外市場の深耕である。

三井物産の繊維事業は4月から流通事業本部に入り、グループの総合力を生かした川下化が進めやすくなった。デジタル、サスティナビリティー、機能などの切り口で、小売り系の顧客と共同事業を行うことも一つ。

デジタルマーケティングでは、消費者と接点を持ったプロモーションや商品開発のほか、電子商取引(EC)という手法もある。

「リスクの少ないクラウドファンディングを立ち上げて、当社の自社ブランドを絡めて顧客ブランドの価値向上を図る」などを模索する。

海外市場の深耕では、アウトドア素材「パーテックス」の成功例のように、独自原料に根ざした仕組み作りや投資を行う。製品ではアジアの専用縫製ラインもアセットとして活用する。欧米向けに素材を切り口とした一貫生産にも注力する。越境ECと海外物流を組み合わせた展開も視野に入れる。調達戦略室を中心に海外の工場監査に対する体制強化、社内の技術・品質管理の人員増強にも引き続き取り組む。

2019年6月20日(木) 繊維ニュース2面

お問い合わせ
お問い合わせは、
各部門の担当者から回答いたします。

お問い合わせフォームはこちら >