「アニュアル」でDtoC挑戦
 

「コロナに負けるな」の強い気持ち

素材の特徴を際立たせるシンプルなデザインの「アニュアル」。価格帯は1万7000~3万円

三井物産アイ・ファッションがオリジナルブランド「アニュアル」のDtoC(メーカー直販)を始める。OEM(相手先ブランドによる生産)が主力の同社の挑戦的な試みで、6月に先行受注し、9月には納品する予定。新型コロナウイルスの影響で当初の準備が難しいが、「既存の枠組みで物事を考えていたら間に合わない」と速度を上げる。

アニュアルはニット主力のユニセックスブランド。ノンミュールジングで白度の高さと滑らかな質感が特徴の「ニュージーランド・プレミアム・ウール」を使う。19年秋冬にスタートし、セレクトショップへの卸や著名なデザイナーブランドの別注などに対応してきた。

DtoCは、新事業に掲げる消費者向けビジネスモデルの構築に向けた一つ。在庫リスクを持つ前提で作り込んで、自社ECを中心に販売する。先行受注の前の3、4月に卸向け展示会を開き、バイヤーの声を参考に量産する品番を決める計画だった。

このため、DtoC戦略に卸は欠かせない。主販路は自社ECだが、ブランドマーケティングの観点で消費者との接点を増やし、「一人でも多くに触れてもらうこと」を重視した。アニュアルに限って与信枠を設けず、リスクを背負う覚悟だ。

しかし、出展予定だった合同展は延期の末に開催を断念。自社展も外出自粛要請で来客が見込めなくなり、オンライン展示会システム「ターミナルオーダー」の活用を始めた。展示会の開催が危ぶまれた3月下旬、運営企業のターミナル(東京)に話を持ちかけ、社内での稟議を通し、4月6日には受注を開始する「これまで経験したことのないスピード感」だった。「コロナに負けるな、という強い気持ちでやり切りたい」と話す。

白度の高さと滑らかな質感が特徴の「ニュージーランド・プレミアム・ウール」を使う

2020年4月27日(月) 繊研新聞1面

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