《トップに聞く》中計目標を前倒しで達成
 

今井徳社長

三井物産アイ・ファッション社長 今井徳氏 中計目標を前倒しで達成 〝川下化〟と海外を強化

20年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げた収益目標を前倒しで達成した。5月、白崎道雄前社長からリーダーの任を引き継いだ今井徳氏のもと、次期中計を見据えたさらなる成長戦略を実行し始めている。原料やテキスタイル販売、製品OEM(相手先ブランドによる生産)といった従来のビジネスを維持・発展させつつ、「今までとは異なる業態変革にもチャレンジする」という。(小堀真嗣)

中計の前倒し達成は、現場のがんばりによるものです。国内は規模の拡大ではなく収益性を改善し、海外では順調に伸ばしています。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用など業務改革の成果もあり、社員はお客様のためにより一層知恵を絞って前向きな時間を作ることができています。

これまでの商社のビジネスという土台がしっかり固まっているので、新しいことにチャレンジできる状況です。社内では三段階の成長戦略について話しています。一つは従来型ビジネスモデルの利益率をもっと上げていくこと。二つ目は従来型ビジネスモデルの高度化。三つ目は業態を変えるほどの変革です。

一つ目は引き続き事業を効率化し、しっかりと利益を積み上げられるようにします。二つ目は一括物流を請け負ったり、設備投資も伴う専用縫製ラインを確保したり、物の売買だけではない仕組みをもって、繊維専門商社としてサプライチェーンにおける機能を磨き上げます。

三つ目は自らECも含む消費者向けのビジネスに着手する〝川下化〟と、海外市場の開拓に挑みます。

いずれもデジタルとブランドをもって推進していきたい。川下化については、社内でデジタル化を担う人材の内製化を進めているほか、三井物産グループとの連携も一層強化します。本体で4月に改組があり、ファッション・繊維事業部は流通事業本部に移りました。同本部が備える小売りに関わる機能を私たちのお客様にも活用していただきたい。そして、お客様と一緒に共同で事業をしたいと考えています。

独自の素材ブランドもデジタル的な手法で消費者との接点を強めたい。好事例はアウトドア分野で消費者にも認知されている高密度織物「パーテックス」。そのほか、独自開発・独自セレクションの素材「クロスアプリ」も消費者への訴求を強めて認知を上げ、市場を開拓していきたい。やり方は決めていませんが、ECやクラウドファンディングを検討しているところです。

海外市場は原料、テキスタイル販売を伸ばすとともに、製品OEMではグローバルに物を売っている企業との取り組みを増やしたい。この間は海外企業及び海外販売を増やしている日本企業との取引が増えています。生産背景の拡充とともに、品質管理レベルをグローバルスタンダードに引き上げるなど、物作りの機能強化にも一段と力を入れています。

当社には成長戦略をやり切るために十分なタレントが揃っています。会社が個々人の力を後押しできる環境作りにも取り組んでいきたいと考えています。

2019年7月9日(火) 繊研新聞3面

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